社会医療法人恵和会西岡病院岡村紀宏様講師のもと行われた「厚生労働行政の動向と診療報酬改定」のオンデマンド配信を視聴しました。今回は令和6年6月に行われた診療報酬改定について令和6年3月時点での報酬改定の特徴や留意点についてご教授いただきました。
視聴を行い、現時点ではすでに診療報酬改定は行われていますが再度内容の確認や気を付けなければいけない部分を再確認することが出来ました。マイナンバーカードの利用については高齢者が多い地域では申請出来ない高齢者が多いこともあり、地域との連携が必要になってくると考えました。また、急性期一般病棟の平均在院日数が21日から16日と短くなり、地域包括ケア病棟の期限も60日から40日に短くなった事を踏まえて、患者や家族に対して、今までよりも早期に介入し、退院調整を行っていく必要があることを学びました。医療機関同士の関わりだけではなく、介護施設や障害施設等との連携の強化も求められていると感じました。
それぞれ勤務されている病院、施設等で注目すべき点は異なってくると思うのでオンデマンドの配信をみて頂ければと思います。
文責 細谷:広報部会
基礎研修「事例検討の方法と実践の検証」がオンデマンドにて行われました。講師は、当協会会長である小泉進氏でした。
研修前半では、事例検討についてご講義いただき、後半では事例検討の種類と方法として、「インシデントプロセス法」「気付きの事例検討会」、「野中式事例検討会」、「KITASATO-HORIKOSHI方式」を取り上げ、事例提供者、メンバー、視界、研修参加者に分かれた検討会をオンライン上で体験することが出来ました。
後半の講義では、事例検討を行う大切さを学びました。
事例検討の意義として、・知識や方法の共有化・実践の振り返りや確認・今後の実践の方向性の確認・経験や問題の共有、分かち合い・専門家集団としての凝集性・カタルシス、共感、信頼感の獲得、精神的サポートを得るなどと云ったことが分かりました。また、事例検討会が単なる批判の会になってしまわないように、心理的安全性の確保や事例検討のゴー設定が大切である事を学ぶことが出来ました。
次に、模擬事例検討会を行い私自身初めての経験でしたが、リアルな対面のように行うことができるのか半信半疑でしたが、映像として確認しながら行えることで対面よりも自分の考えを整理して行うことが出来ました。
参加された皆様お疲れ様でした。
文責 広報部 鎌田
12月7日(土)岩手県立中央病院/4階大ホールにて、一般研修Ⅱ「身元保証とソーシャルワーク」が開催されました。講師は、川上・吉江法律事務所の吉江鴨洋先生に務めていただきました。
今回の研修は、当協会で立ち上げた身元保証問題プロジェクト(通称:つなぐプロジェクト)スタッフが中心となって企画されており、当日はスタッフを含めると総勢45名の参加がありました。尚、当日は協会員のみならず、非会員の方も多く参加されており、経験年数も一年目から中堅、ベテランまで幅広い層の参加があったことから、研修内容に対する皆さんの関心の高さが窺われました。
研修の内容は、講義、リレー報告、グループワークの3部構成で行われ、第1部は、吉江先生より「医療機関における身寄りがない方への対応について」というテーマで講義をいただきました。ソーシャルワーク支援の展開において立ちはだかる、各場面の問題点への対応を、吉江先生の成年後見人としての実務経験のお話を交えながら、司法と福祉を結びつけた具体的な方法を学ぶことができました。実践に落とし込みやすい内容であり、すぐに業務へ活かせると思ったのは私だけではないはずです!
第2部は、「リレー報告」として、身元保証問題から権利擁護を考える1事例を取り上げ、急性期(岩手医大/黒澤美甫氏)から慢性期(孝仁病院/佐々木章氏)へバトンをつなぐ中で、それぞれの立場からのアプローチやケース展開を多角的な視点で報告していただきました。
リレー報告を通して、意思決定支援の本質を改めて考えることができました。クライエントの為に!というソーシャルワーカーの熱量が多職種を巻き込み、機関を横断した「チーム」としてウェルビーイングを目指す取り組みに、刺激を受けた方も多かったと思われます。
第3部は、本研修を振り返りながら、得られた学びや所属機関の現状・課題を共有する「グループワーク」を行いました。全グループが盛り上がりを見せ、時間内では収まりきらない様子から、非常に充実した研修であったということは言うまでもありません。
身元保証問題は、司法、福祉に留まらず、あらゆる分野の垣根を超えて、社会全体で考える必要があります。その為には、日頃のネットワーキングの重要性と、一つのケースを通し、地域社会にソーシャルアクションを起こすことが必要であると再確認できました。日々、ケースから学ばせていただいている事を、クライエントに還元し、ウェルビーイングに繋げていくことが、ソーシャルワーカーの役割だと改めて感じる機会となりました。
講師の吉江先生、参加された皆様、教育研修部会・つなぐプロジェクトの皆様、お疲れ様でした。ありがとうございました。
文責 広報部会 佐々木亘
令和5年オンラインにて岩手県立久慈病院の熊原直子様講師のもと行われた「社会保障制度とソーシャルワーク」のオンデマンド配信を視聴しました。研修は社会保障制度とはという基礎の振り返りから始まりました。社会保障制度は戦後の復興を進めていく中で出来上がってきた制度であると分かりました。時代と共に移ろいながらも基本的な考え方は現在でも変わらないという点に驚きを感じました。また、制度は文章で読むと理解が難しい場合がありますが、ライフステージに当てはめて考えるとどのような時にどのような保障やサービスを利用するかが分かりやすいと学びました。
次に社会保障制度に関わる近年の動向について説明していただきました。人口は減少していますが高齢化は進み、社会保障給付費は年々増加しています。未婚化や晩婚化の進行により出生率も低くなっています。そのため世帯累計を見ると単独世帯の割合が増加していました。また、65歳以上の単独世帯の割合が増えていることも分かり、益々高齢者への在宅サービスの需要が高まっていくと感じました。就業率に関しては女性と高齢者の就業率が高くなっていると分かりました。社会保障制度は常に社会情勢の影響を受けているため、アンテナを張ることが大切だと思いました。私はまだまだ知識が足りていないため、患者の支援に必要な知識を蓄えながら社会情勢の動向にも意識を向けていこうと考えました。
医療保険制度や医療提供体制の概要に関しては国民医療費の構造や診療報酬改定、法改正、地域医療構想等の要点を学ぶことができました。事例検討では自分の社会保障制度や社会資源の知識がどのくらいであるのか再確認できました。ソーシャルワーカーとして患者の支援に必要な知識を身につけ、患者に必要な情報を適切に提供することを心がけようと思いました。
今回の研修では私達が日々行っている患者への支援の基盤となる考え方や制度について改めて振り返ることができました。私は特に社会の動向に関する資料について興味深く感じました。今回の研修を機にニュースやインターネット、新聞等で自分でも情報を集める習慣をつけようと思いました。
文責 広報部会 佐々木千夏
令和6年10月19日(土)コミュニケーションギャラリーリリオにて、神戸学院大学総合リハビリテーション学部 伊藤隆博先生にお越しいただき、医療ソーシャルワーク基礎研修⑨・⑩「支援方法論(アセスメント・面接技術)」が開催されました。当日はあいにくの雨模様の中12名の参加がありました。10:30~16:00と長時間に渡った研修ではありましたが、講義・演習・グループワークと濃密な内容であっという間に時間が経っていきました。
「アセスメント」ではインテークアセスメントの重要性とポイント、アセスメントの3つの要素と方法の理解、クライエントのストレングスを活用するためのアセスメントの重要性、アセスメントスキルにけるOODAループの活用などについて講義と演習で学びました。
続く「面接技術」ではバイスティックの7原則に沿った面接の理解、マスク使用下でのコミュニケーションの留意点、5つの基本的応答技法による面接のポイント、そしてソリューション・フォーカスト・アプローチを用いた面接の手法について講義・グループワークで学びを深めました。
アセスメントも面接も日常業務で欠かさずに行っているものではありますが、先生のお話からこれまでの自らの技術や思考を顧みて「そうなんだよね」と自信に繋げられたものもあれば、「えー知らなかった・・・(泣)」という未知との遭遇まで、大いに自らを見直す時間になりました。自分がMSWとして従事する中で、この「アセスメント・面接技術」は常にスキルを磨いておくべきものと考えているものでしたので、今回このような研修に参加させていただき、その重要性を再認識し、今回得た学びを早速活用できるよう気持ちを新たにしました。
また私個人としては久しぶりの対面研修、久しぶりのグループワークでした。コロナ禍を経て従来の形が戻ってきたことを実感するとともに、グループワークを通して、職場は違えど同じ仕事に従事する”仲間”と繋がり、意見交換や情報交換できたことで、また明日から頑張ろうと元気をいただくことができました。
講師の伊藤先生、当日研修に携わったすべての方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
文責 広報部会 佐々木(裕)
令和6年9月30日(土)午後、岩手県立大学社会福祉学部 菊地学
先生を講師にお招きし、一般研修Ⅰ「MSW自身の心の保ち方・スト
研修前半では講師の菊池先生よりストレスマネジメントについてご
講義では、ストレスの発生プロセスやアドラー心理学の理論につい
グループワークでは、MSWの皆さんが日々ストレスに感じている
今回学んだことを意識しながら、自分自身が心身ともに健康に日々
今回ご講義いただきました菊池先生、本当にありがとうございまし
文責 広報部会 和野真鈴
令和6年7月20日(土)第12回ソーシャルワーカーデー記念 第20回ソーシャルワーク三団体合同研修が行われました。
今回のテーマは「LBTQ+を含めた多様性の尊重ー今私たちにできることー」
講師は、令和5年岩手県医療ソーシャルワーカー協会会報誌の特集にもご協力くださった「おやおや」代表の加藤麻衣さんです。
加藤さんの「このテーマを取り上げて下さったことが大変尊い」という熱いメッセージから始まった講義は、憲法に立ち返り「人権」とは何かという原理原則に立ち返ることをベースにして、人権を侵害しないようにどう行動すればいいのかという方法論をLGBTQ+の方々の事例や、実際身近に起きている事例をもとに解説頂きました。
我々ソーシャルワーカーは倫理綱領において、差別や偏見に立ち向かうことが大前提ですが、自分自身の中にある無意識にあるバイアスに気づくか否か、気づかないことがスティグマー差別や偏見につながっていないかという問いかけが会場の一人一人にずっしり響いていたのが印象的です。ソーシャルワーカーとしての自己覚知が重要というのはまさに自分のバイアスに気付くことだと感じました。また、性自認と性的指向の多様性の中で、表現の仕方一つで差別的な言葉に転じたり、プライド自尊心を表す言葉として使われたりと用語の正確な理解がいかに大事かということも痛感し、大変貴重なお話でした。加藤さんの個人としての思いや、考え方を交えて具体的にわかりやすく解説下さり、2時間では足りないと感じたのは私だけではなかったと思います。
その後のグループワークもそれぞれのグループで、熱い激論が繰り広げられていました。私の参加したグループでは、研修に参加する理由として、三団体の合同研修には必ず来ている、ライフワークにしているというように、三団体合同研修に思い入れが深い方が多かったのも印象的です。(私もその一人)毎回、分野や領域が違うソーシャルワーカーが一堂に会することで、違いを認めつつも根底に持っている同じソーシャルワーカーとしての熱い思いを会場の皆さんで分かち合える素晴らしい機会です。来年も是非会場でお会いしましょう。実行委員の皆様ありがとうございました。
また、MSW協会広報誌では今回の講演では入りきらなかった内容が掲載されていますので、協会員の皆様はそちらも是非チェック頂きたいと思います。加藤さん、多大なるご協力を頂きまして本当にありがとうございました。
文責 広報部会 老松さとみ